飲食店のノロウィルス対策

ノロウィルス

目に見えない細菌やウィルスを意識しましょう

お客様にお金をいただいて営業しているため、プロであるべき飲食店スタッフ。

衛生面においては、当然家庭以上に気を付けなければいけません。

何か問題があれば保健所の調査が入り、営業停止処分を課されます。

マスコミなどに発表されると噂は広まり、飲食店では死活問題につながります。

それにもかかわらず、驚きの行動をする人はもう頻繁に見かけます。

私がお客としてお店をおとずれた場合もそうですし、自身のお店のスタッフも入りたてのころは恐ろしい行動を取る可能性もあり目を光らせています。

特に目に見えない細菌やウィルスに関して意識が低い人が多いように思います。

今回お話しするノロウィルスは感染力も強いため、スタッフやその家族に感染者が出た場合は細心の注意を払いましょう。

また、飲食店にはたくさんのお客様が訪れるため、ノロウィルスを持ったお客様が来店されることも十分あり得ます。

しっかりと知識を身につけてできる限りの最大の対策をとりましょう。

ノロウィルスについて知る

ウィルス感染

ノロウィルスの感染を防ぐにはノロウィルスについて良く知る必要があります。

ノロウィルスはどこにある?

ノロウイルスは人間の腸内でのみ増殖します。

ノロウイルスに感染した人間の排泄物が下水処理場で浄化処理され大半のウィルスは死滅しますが、わずかに残ったウィルスが河や海へ流れます。

プランクトンを餌とする牡蠣などの二枚貝が大量の海水を取り込んだ際に、ノロウィルスを体内に蓄積してしまい、それを人が食べる事で感染してしまいます。

ノロウィルスの感染源

ノロウィルスへの感染を防ぐには感染源をしっかりと理解しておく事が大切です。

経口感染

ノロウィルスを持った食材を十分に加熱せずに摂取した場合に感染する恐れがあります。

先ほどお話した『二枚貝』を食べる際や調理する際は注意しましょう。

牡蠣には、『生食用』と『加熱用』が販売されています。

両者の違いは鮮度ではなく、牡蠣が育った海域の違いです。

定期的に海域の水質検査を行い、細菌数の基準をクリアすれば、生食用を出荷できる海域に指定されます。

加熱用は間違っても生で食べないようにしましょう。

接触感染

ノロウィルスに汚染された『食品』や『便』、『吐しゃ物』に接触した手を介して感染するする可能性があります。

飛沫感染

『吐しゃ物』や『便』などからの飛沫を吸入して感染する可能性があります。

空気感染

吐しゃ物や便などの処理が適切に行われなかった場合、残存物が空気中に浮遊し、吸入して感染する可能性があります。

ノロウィルスの特徴

感染力が強いため、毎年どこかで集団感染が発生しているとても怖い感染症です。

日本では多少前後しますが、寒い時期の11月~2月にかけて流行します。

(年中感染する危険性はあります)

少量であっても体内に入ると腸内で増殖する、とても感染力の強いウイルスです。

一般的に消毒に用いられる、消毒用エタノールでは、ノロウィルスを死滅させる事は出来ないのが厄介です。

ノロウィルス感染予防対策

予防対策

ノロウィルスの特性上、100%の予防対策は厳しいですが、それでもできる限りの予防策をとりましょう。

基本的な感染予防対策は先ほどご紹介した感染経路のうち、『経口感染』を防ぐ事に重点を置きましょう。

手洗いの徹底

基本中の基本でノロウィルスだけでなくその他の感染症対策にも効果があります。

石鹸をぱっとつけてぱっと洗うような洗い方ではなく、職場で正しい手洗いをするよう徹底しましょう。

知識のある方は、石鹸ではノロウィルスを殺すことはできないのではないかという方もいらっしゃると思います。

一部の石鹸を除いてノロウィルスを不活性化させる事はできませんが、完全でなくてもウィルスを洗い流すことは可能です。

流水によるすすぎも効果を発揮します。

生鮮食品の殺菌

食材の洗浄を徹底しましょう。

HACCPへの対応が義務化されましたが、その中にも非加熱食材の殺菌洗浄についての記載があるかと思います。

熱を加える事でノロウィルスを不活性化させる事が可能ですが、サラダなどの熱を通さない食材は次亜塩素酸ナトリウム(食品添加物)等で殺菌します。

器具の管理

特に牡蠣などの二枚貝を取り扱う店舗は、専用の調理器具(まな板、包丁など)を使用し、使用後は洗浄、消毒を徹底し、二次汚染を防ぐようにしましょう。

使用した器具や食器、ふきんなどは使用後すぐに洗浄しましょう。

洗剤だけでは、すべてのウィルスを死滅させる事はできない可能性があるため、熱湯消毒か、次亜塩素酸ナトリウムによる消毒を行いましょう。

トイレ掃除の徹底

ノロウィルスを防ぐ上で、トイレ掃除はとても重要です。

先ほどお話した通り、吐しゃ物や便などにノロウィルスが存在します。

そのため、トイレは、特にノロウイルスなどの病因物質の汚染源となります。

便座、水洗レバー、手すり、ドアノブなど手を触れる箇所は特にノロウィルスに効果のある消毒方法を用いて、入念に洗浄、消毒しましょう。

感染者が出てしまった場合の対策

上でお話した、感染予防対策を常時行いますが、店内での感染を防ぐためにはもしもの場合の対応も非常に重要です。

対応を間違えると、集団感染などの最悪の事態を招きます。

確実に対策を取りましょう。

店内で嘔吐発生

スタッフまたは、お客様が体調を崩してお店で嘔吐してしまった場合の対応が重要です。

ただの体調不良、食べすぎ、飲みすぎなどが原因の場合もありますが、ノロウィルスの危険がある季節は、全てノロウィルスをもっているものとして対処しましょう。

吐しゃ物への対応

手袋、マスクを着用し対応する

すぐに処理を行う

残存物が残らないようしっかりとふき取る

汚物はしっかりと密閉し廃棄する

ノロウィルスに効果のある殺菌処理

作業後の手洗い、消毒

まずは、自身への感染を防ぐため、手袋、マスクを着用し処理しましょう。

マスクは飛沫感染を防ぎ、手袋をする事で特に爪の間などへウィルスが付着するのを防ぐ事ができます。

汚物は放置せず、すぐに処理を行い、残存物が残らないように気をつけましょう。

乾燥するとノロウィルスは空気中を漂い空気感染のリスクが高まってしまいます。

同様に、使用したマスクや手袋、紙や布、汚物の入った袋などはしっかりと密閉し処理する必要があります。

目にみえる汚物の除去が完了したら殺菌処理を行いましょう。

(嘔吐物は思っているよりも広範囲に飛び散っている可能性もあるので、しっかりチェックしましょう)

アルコール等では、ノロウィルスを不活性化させる事はできないため、『次亜塩素酸ナトリウム』を使うか『熱湯』を使って殺菌します。

次亜塩素酸ナトリウムには金属腐食性という性質があるため、金属類への使用はオススメできません。

熱湯も使える場合と使えない場合があるかと思いますので、殺菌箇所に合わせてうまく使い分けましょう。


次亜塩素酸ナトリウム6%を成分とする医薬品の殺菌消毒剤

現在、猛威をふるっているコロナウィルスの対応にも使えるため、上記のような商品を1本持っておくと良いかと思います。

希釈して使用するため、1本である程度の期間使用する事が可能です。

また、わざわざ専用の商品を購入せずとも、飲食店であれば持っている可能性の高いハイターを使って消毒液を作る事も可能です。

ただし、塩素系の漂白剤に限るので注意して下さい。

消毒液の作り方

①よく洗った500mlのペットボトル

②塩素系漂白剤

③あればじょうごなど(金属不可)

上記3点を用意し、ペットボトルに少し水を入れ、ハイターキャップ2杯分を入れ、残りを水で満たしよく振れば完成

雑巾などに作った消毒液を十分につけ、消毒します。

スタッフやその家族が感染

スタッフ本人はもちろん、スタッフの家族が感染した場合も十分な対策をとりましょう。

本人に症状が発症していなくても体内にウィルスを持っている可能性があります。

ノロウィルスに感染しても、インフルエンザのように出勤停止させなければならないといった決まりはありません。

休んでもらうのが一番確実ですが、ウィルスは長いと1か月以上も体内に残っている場合もあり、1か月も仕事を休ませるのは現実的ではありません。

症状が落ち着いたら働くことになると思いますが、その際は、症状はおさまっていても自分がウィルスを持っており、万が一お客様に感染させてしまうとものすごく大変なことになるという自覚をしっかりと持ってもらいましょう。

基本的に、食品を扱わない作業をしてもらうようにしましょう。

最低でも生食の取り扱いは避けてください。

それも無理な場合は手洗い・消毒の徹底、手袋やマスクの着用等を徹底させましょう。

そして共用のタオルは絶対に使用しないよう気をつけましょう。

また、自身や家族がノロウィルスに感染した際は、しっかりと報告をするよう日頃から注意喚起しておきましょう。

記事作成日:2016.11.05
最終更新日:2022.02.25