牛タンの特徴・種類・違い~美味しいタンはこれ~

牛タン

記事関連ワード

牛タン 舌 違い 美味しい

はじめに

焼肉店でも大人気の牛タン。

焼肉-kai-でも人気のメニューで大半のお客様がタンをご注文されます。

そんな大人気のタンですが、お店によって扱っているタンの種類や出し方はマチマチで、凄く残念なタンに出会った方や、 びっくりするほど美味しいタンに出会った方などその時そのお店により色々なタンに出会った事がある方も多いと思います。

当ブログではお肉についての記事が一番多くの方に読んでいただけているのですが、 有難い事に、タンについて詳しい記事を書いてくださいというご連絡をいただいたので、私の知っている限りの内容ではございますが、 記事にしてみたいと思います。

タンの種類

まずはタンの種類のお話しです。

例えば、焼肉店を選ぶ際にそのお店の扱っているお肉が国産なのか外国産なのか。

国産であても、黒毛和牛なのか交雑牛なのか。はたまた乳牛(ホルスタイン)なのか。

たくさん食べたい、美味しいものを食べたいなどその日の気分やお財布の具合などに合わせてお店選びをされるかと思います。

また、さらに細かく言うと、松坂牛・神戸牛などの超有名高級ブランドのお肉などのお店を選ぶ場合もあるかもしれません。

当然、タンにも国産牛・外国産牛にかかわらずブランドや育て方、産地等の種類が存在します。

様々な部位がある牛肉ですが、このタンに関しては特に黒毛和牛をメインに扱っているお店でも黒毛和牛のタンを出しているとは限らないなど、 メインの取り扱い牛とは異なるタンを使っている可能性が結構あります。

その理由は後程書きたいと思いますが、まずはタンの種類を私が思いつく限り記載していきたいと思います。

国産のタン
黒毛和牛のタン
交雑牛のタン
乳牛のタン

外国産のタン
USA産のタン
  ナショナル
  IBP
  Swift
  EXCEL など
オーストラリア産のタン
  オコーナー
  ディアマンティーナ
  キルコイ
  AMH など
チリ産のタン
メキシコ産のタン
  スカルネ など
ニカラグア産のタン

国しかわからずブランドのわからないものもあって申し訳ないですが、私が色々なお肉の業者さんと話して知っているものや食べた事のあるものはこんな感じです。

タンの処理・歩留まり

タンに関する色々な話をするに際し、タンの歩留まりの話は結構重要です。

タンイメージ図

タンは結構グロテスクなので、今回は図を書いてみました。

牛一頭から取れるタン(舌)は一本。牛のサイズにもよりますが、一本当たり1kgちょっとといった重量でしょうか。

タンの処理方法はお店それぞれですが、焼肉-kai-では側面の皮を剥ぎ、タン下(④)をとり、タン先(③)を落とし、残りの皮をはぐといった感じです。

図では4つに分けていますので、4箇所の特徴を簡単に書きます。

①タン元
牛の舌の付け根の部分です。あまり動かさない部位のためとても柔らかく脂がのる部位です。

仮に1本のタンを『特上・上・並』に分けるとすれば、根本から3,4cm程の部分は特上と言えるでしょう。

とても柔らかいので、焼肉の商材として利用するのがおすすめです。

②タン中
②の部分では、根本に近い方とタンの先に近い方では脂ののり具合が結構違います。

根本に近い方が上タン、タン中の中心からタン先の方にかけては並タンといった感じでしょうか。

③タン先
タン先の部分はとても固く、正直焼き材としてはおすすめできません。

当店では、このタン先の部分はお客様に出す事はなく、まかないに使用しています。

タンシチューなどに利用すれば美味しく食べれるのですが、結構使い道に困る程固かったり臭みが強いです。

④タン下
筋などが通っている部位です。こちらもあまり焼き材には適さないので、焼肉メニューとしては使用していません。

お客様には出していませんが、まかないとして薄く切って焼いて食べる事はあります。

また、しっかりと煮込むと口の中でほどける程柔らかくなるので、煮込み料理にはおすすめの部位です。

タンの歩留まり
結局、お客様にご提供する部分は①のタン元と②のタン中の部分です。

元の重さから計算すると、①と②の部分は元の重さの6割程度まで減ってしまいます。

タンは決して安い商材ではないのに、歩留まりが6割程度、そして皮むきと薄く切るカットは結構手間で仕込みの時間も結構かかってしまいます。

タンの原価

私も現在焼肉店を営んでいるので、あまり事細かに話したくない部分のお話しではあるのですが簡単に書いてみたいと思います。

カルビやロースのお肉に関して言えば、一頭買い付けなどして少しでも安く仕入れる事が可能ですし、直接提携などしているお店さんの仕入れ値は安く抑える事ができます。

牛一頭から数百キロのお肉がとれるためです。

しかし、タンに関しては話が違います。もちろん特別な仕入れ先を持っており他の方よりも安く仕入れているお店さんはあるかと思いますが、 牛一頭丸ごと買い付けても、タンは一本しか手に入りません。

タン1本からは10人前も取れません。なのでタン1本では1日分にもならない可能性が高いです。

なので、タンは別に仕入れるしかないため、どこのお店さんもそれなりの値段を支払って仕入れているのではないでしょうか。 もちろん、卸売り業者さんや、大量購入できる店舗さんはまだまだ安く仕入れられると思います。

タンの価格(kg単価)
タンは牛一頭から一本しか取れないので、大変希少な部位です。 黒毛和牛のタンは常時、外国産のタンであっても数が不足し値段が高騰するのは良くある話なので価格は安定しませんが、大雑把に書きます。

・黒毛和牛・交雑牛のタン ・・・ 4,500~6,000円
・外国産(良い部類) ・・・ 2,000円前後
・外国産(安い部類) ・・・ 1,400円前後

※まだ安い場合、高い場合もありますので目安程度にしてください。

タンの商品原価
先ほど、タンの歩留まりは6割程度とお話ししましたので、1,400円~6,000円で計算すると、 2,300円~10,000円というkg単価になります。

1人前を100gと仮定すると、1人前あたりの商品だけの原価は230円~1,000円となります。

当然、仕入れて来てぱっと出せるものでもなく仕込みや提供時の人件費もかかりますし、レモンのスライスの値段もばかにならないので、結構な原価がかかります。

黒毛和牛・交雑牛のタンは超希少

黒毛和牛や交雑牛の一ヶ月のと畜頭数はご存知でしょうか。

黒毛和牛は雄雌合わせて3万頭前後、交雑牛は2万頭前後です。

全て国内に流通すると仮定してもタンは5万本、全国に焼肉店は2万店弱、当然焼肉店以外でもタンは使用されます。

1本で10人前も取れないので日に数本タンを使用するとなると圧倒的に数が足りません。

なので、黒毛和牛のタンの価格は下がる事はなく、常に品薄状態のため取扱いできる店舗は限られてきますし、価格も高くなります。

食べ放題で牛タンの提供は難しい

私は食べ放題の焼肉店に勤めた経験がないので、詳しくはわかりませんが、先ほどの商品原価だけで安くても100g 230円という計算結果から推測してみます。

食べ放題のお店はたくさんありますが、中でも2千円前後で食べ放題をやっているお店や、凄い所は1千円前後で食べ放題を提供しているお店さんもあります。

内容はお店さんそれぞれでしょうし、飲み物で利益を確保したり、最初に豚肉や鶏肉を含めたものを出してその後に追加してもらうなど様々な工夫もあるかと思いますが、 なかなかまともな牛タンを出すのは、安い食べ放題店では難しいのではないでしょうか。

私の経験ですが、タンはメニューに無いか、牛タンはなく、豚タンなどで代用しているお店が多いように思います。

2千円程の食べ放題店で牛タンがあったのですが、かけらのような固いタンが出て来て納得しました。笑

黒タンと白タン

一般的に国産のタンに関して言えるのですが、

黒タン ・・・ 黒毛和牛・交雑牛
白タン ・・・ 乳牛(ホルスタイン)

というふうに分類されます。 黒毛和牛や交雑牛のタンの皮は黒くなる事がほとんどで、逆に乳牛のタンの皮は白くなる事がほとんどです。

そのため、皮が黒いタンの方が高額で取引される事が多いです。

外国のタンに関しては、あまり黒タン・白タンという分類は適用されないようですが、 当店で仕入れているUSA産のナショナルブランドのタンの皮のほとんどは黒いです。たまに白いものもあります。

厚いタンと薄いタン

個人の好みの問題もありますが、少し厚切りのタンがお客様には人気です。

あの店のタンは薄い、厚いという話をよく聞きますが、先ほどタンの処理のお話をしましたが、 根本に近い方が脂がのって柔らかく厚く切っても美味しく食べられます。

逆に先端に近づく程固くなるため、厚く切ってしまっては食べづらいものになってしまうので、薄く切らざるをえません。

もちろん牛の種類や下処理(切り込みを入れたり柔らかくなるよう何かに漬込むなど)によって固さが違ってきます。

各々のお店さんも美味しく食べられる厚さを考えて出していると思いますので、やはり厚めのタンが食べたい方は、 言い方は悪いですが、良いタン(高いタン)を扱っているお店に行くべきだと思います。

私のおすすめ美味しいタン

黒毛和牛・交雑牛のタン
ダントツでおすすめなタンは、黒毛和牛・交雑牛のタンです。

しかし、値段の高さもダントツです。値段を気にしない方は黒毛和牛や交雑牛のタンを扱っているお店を探すと良いと思います。

USA産ナショナルチルドタン
黒毛和牛・交雑牛の次にオススメするのは、USA産のナショナルブランドのチルドタンです。

色々な種類の外国産のタンを食べましたが、USA産のナショナルブランドが一番美味しいと私は思います。

チルドタンというのは、冷凍されずに輸入されたタンの事です。

子牛のタン
国内のと畜には制限があるので、外国産がほとんどだとは思いますが、賛否両論あるかと思いますが、子牛のタンは風味が別物で美味しいです。

子牛は乳を飲んでいるので、ミルク風味な感じで、臭みも少なく柔らかいです。

流通量も少なく、一般のタンよりも高額になる事が多く、子牛のため1本のサイズも小さくなります。

私が食べたものは、オーストラリア産の子牛のタンです。

美味しいタンに出会うためには

黒毛和牛のタン取扱い店へ行く
まず間違いないのは、黒毛和牛のタンを扱っているお店に行く事です。

希少性が高いので、何らかのアピールをしている可能性もありますし、値段が極端に高ければ黒毛和牛の可能性も高まります。

注意して欲しいのは、黒毛和牛を扱っていても、タンは黒毛和牛を使っていないお店も多いという点です。

当店も、カルビ・ロース等のお肉は全てA4等級の黒毛和牛を使っていますが、タン・ミノ・シマチョウに関しては外国産を使っています。

並・上・特上と細かく分かれている店へ行く
並・上・特上によって牛の異なる種類を使っているお店もあるかもしれませんが、ランクを分けている場合、根本に近い方が特上で舌の先に近い方が並としているお店も多いと思います。

ランクが分かれていればより柔らかく脂ののって美味しい根本に近い部分が出てくる可能性が高まります。

自分でさばく
自分で処理をするのは少し面倒ですが、自分で1本タンを購入すれば一番美味しい根本の部分を食べる事ができます。

スーパーなどでは丸ごと1本タンを売っているのは見た事がありませんが、業務用スーパーなどに行けば売っていると思います。

店員さんと仲良くなる
店員さんと仲良くなったり、お店の常連さんになれば根本に近い部分が出てくる可能性も上がると思います。

お店としても一見さんよりもいつも着てくださるお客様に良い所を出したくなるものです。

自分の目で見て買う
スーパーなどでカットされたタンが売られています。慣れてしまえば根本に近い方か先に近い部分なのかはすぐにわかります。

簡単に言うと赤いタン(先に近い)は避け、脂で白みがかった(ピンクっぽいのも良い)タンを選ぶと良いです。

根本に近い方は脂が多く白かったり、ピンクっぽくなっています。先に近づくにつれて、脂の目が粗くなっていき最後には、脂のほとんど見えない真っ赤なタンになります。

美味しい店を見つける
ネットで様々な口コミレビューが見れる事が多いので、100%信じる事もできないかもしれませんが、タンが美味しいと評判のお店をネット等で検索して行ってみるのも良いかと思います。

最後に

文章ばかりで長くなってしまい申し訳ないです。

なかなか切る前のタンの写真となると掲載できる写真の入手が難しく、当店で扱っているタンの写真しか撮れないため比較できませんでした。

比較ができないため、ちょっとグロテスクなタンの写真はあえて載せませんでした。

まだまだ詳しくは書けるのですが今回はこの辺にしておきたいと思います。

またご質問や書いて欲しい記事などございましたら、私のわかる範囲・答えられる範囲ではございますがお答えしますのでお気軽にご連絡いただければと思います。

記事作成日:2018.06.26

FacebookロゴTwitterロゴFeedlyロゴrssロゴこのエントリーをはてなブックマークに追加