週の労働時間44時間 あなたのお店は特例措置対象事業場かも

法定労働時間
労働基準法では、
という基準が定められており、この時間を越えた労働に対しては、残業代(25%以上の割増賃金)を支払う必要があります。
この残業を行う場合、36協定を結び労働基準監督署に届け出ることが義務付けられています。
また、少なくとも、『1週間に1日の休日』または『4週間を通じて4日の休日』を与えなければならないなど様々な決まりがあります。
この一日8時間、週40時間という基準は知っている方が多いと思いますし、通常はこの基準が適用されます。
しかし、『特定の業種』において、常時使用する労働者(アルバイト・パート含む)が10名未満の事業所においては、一週間の法定労働時間を40時間ではなく、『44時間』とする事ができます。
特例措置対象事業場の基準
『特定の業種』かつ、常時使用する労働者(アルバイト・パート含む)が10名未満の事業所において一週間の法定労働時間を44時間とできる事業場はどのような事業場なのか解説したいと思います。
対象となる業種
商業 (卸売業、小売業、理美容業、倉庫業など)
映画・演劇業 (映画の映写、演劇、その他の興業など)
保険衛生業 (病院、診療所、社会福祉施設、浴場業など)
接客娯楽業 (旅館、飲食店、ゴルフ場、公園・遊園地など)
該当する業種は上記の通りです。
記載されている以外の業種は、10名未満の事業場であっても、1週間の法定労働時間は『40時間』となります。
対象となる従業員数
対象となるのは、常時使用する労働者が10人未満の『事業場』です。
気を付けていただきたいのは、『事業場』という点です。
例えば、飲食店を離れた場所に3店舗経営されており、各店舗に7人のスタッフが常時勤務している場合、会社としては『21人』のスタッフが在籍していますが、対象は『事業場』のため、常時使用する労働者は『7名』であり、『特例措置対象事業場』に該当します。
もう一つ気を付けていただきたい点は、正社員だけでなく、アルバイトやパートも含むという点です。
注意事項
給与を支払う側にとっては嬉しい情報ですが、給与を貰う側にとっては残念な情報ですね。
あくまでも上限が44時間なだけであって、必ずしも44時間で計算する必要もなく、『特例措置対象事業場』であっても、週40時間で計算している事業場はたくさんあるでしょう。
気を付けていただきたいのは、一日の労働時間は変わらず8時間という事です。
1週間の労働時間44時間が残業をしない場合の上限ですが、1日の上限は8時間と変わらないため、一日に8時間より多く働く際は36協定を結ぶとともに、割増賃金を支払わなければいけません。
『一日7時間労働 × 6日』 や 『平日 8時間 × 5 土曜日 4時間勤務』を勤務時間と定める場合などに有効なのではないでしょうか。
複雑な変形労働制を採用している会社の場合は、この特例措置の利用法も変わってくるかと思いますので詳しくはお調べください。
また、18歳未満の年少者には1週44時間の特例は適用できないため、原則どおり『1日8時間』『1週間40時間』までが法定内労働時間となります。
情報元
『44時間』迄働いてもらえると言われても、確かな情報か心配になる方も多いのではないでしょうか。
『特例措置対象事業場』というワードで検索するとたくさんの情報が出てくるかと思いますので、調べていただければ確かな情報だとわかるかと思います。
厚生労働省のページにも記載があるため、そちらのリンクを貼っておきます。