酒税法改正によるお酒仕入れ値の上昇

酒税法改正
2017年6月1日から改正酒税法が施行され、小売店での販売価格、飲食店の仕入れ値、飲食店での価格等に影響が出てきました。
どのように変わったのかご説明したいと思います。
リベート(販売奨励金)とは
リベート(販売奨励金)とは、商品をたくさん売ってくれた小売店等へ支払われるお礼金のようなものです。
酒類業界には多くの商品を売ってくれるお店に対し、この販売奨励金を支給する習慣があります。
この販売奨励金を加味して小売価格を設定していたため、大型店舗などの販売数の多い店舗は小さな店舗よりも価格面で優位に立つ事ができます。
どう変わったのか
まず、商品の仕入れ値に運送費や人件費などの費用を加えた原価を下回る価格で販売できないという状態に変わります。
もちろん、販売奨励金をその計算に加味することは禁止です。
違反した際は、社名の公表や酒類販売の免許取消など厳しい罰則があるようです。
また、各メーカーもリベートの条件を見直しているようです。
この変更により、過度な安売りを行う事ができなくなるため、客寄せパンダのような大型店舗での赤字覚悟の販売や、販売奨励金を考慮した原価割れ価格での販売は姿を消してしまいます。
飲食店への影響
仕入れ値の上昇
この酒税法の改正により、当店にも酒屋さんから値上げの連絡が入りました。
ここでは詳細は控えさせていただきますが、要は、適正価格よりも安く薄利または利益0に近い状態で売ってもらっていた商品に関しては大きく仕入れ値も値上がりしました。
この値上がりは、ビールはもちろん、ビール以外の有名銘柄に関してはほとんど値上がりしてしまいました。
一方で、あまり有名でない酒類に関しては、元々価格競争が激しくなかったのでしょう。
1円も値上がりしない商品も多々ありました。
今の時代、仕入れ値の上昇、上昇、上昇と下がる事はほとんどありません。
企業努力で価格据え置きできれば良いのですが、当然商売をしているわけで、原価ばかり値上がりし、価格転嫁しなければどんどん儲かりにくくなってしまう時代です。
様子を見て、アルコール類の値段を変更するお店さんも多いのではないでしょうか。
宅飲みとの価格差減少?
酒税法改正に関する記事を色々と見ていると、ディスカウントショップによる大幅な安売りがなくなる事で、いわゆる安くてすむ『宅飲み』とお店で飲むお酒の価格差が縮まることで、飲食店に来てくださるお客様が増えるという意見を目にしましたが、果たして影響はどうなのでしょうか。
飲食店も仕入れ値が上がってしまうわけですから、価格転嫁するお店も一定数出てくるため、『宅飲み』との価格差は縮まらない場合も多いかと思います。
私には、よりお酒離れが進むのではないかという心配しかありません。
今後どうなる?
皆さん今回の改正に賛成・反対色々と意見が分かれるかと思います。
飲食店を経営する立場から言えば、仕入れ値が上がってしまったというデメリットが大きいように思いますが、小売りのビール高くなったし、お店に食べに行こうというお客様が増えればデメリットをメリットが上回ります。
しかし、小売りの値段も上がったし、お酒は控えようとなってしまえばデメリットしか残らないかもしれません。
要は時間がたってみないと結果はわからないと思います。
今回の改正の目的の一つであろう、リベートの少ない町の小さな酒屋さんが救われるかもしれませんし、 仮にお酒離れが進み、お酒を扱っている人達にデメリットばかりが生じたとしても、お酒を少し控える事よって、健康を害する人が減るかもしれません。
とにかく、少しでも良い効果がどこかしらに出ればいいなと思います。
飲食店としては
飲食店としては、これを機会に、何か原価を下げれる工夫を探して、今回の値上がり分を帳消し以上にもっていければめでたしですし、お客様には、このお店は頑張って価格を据え置いているな。
とか、こういう事があって、今回10円値上がったんだなとお店を見守っていただけると嬉しいです。
何か飲食業界にも嬉しいニュース飛び込んで来ないですかね~。