ビールと生ビールの違い

生ビール

よくある勘違い

✕ 誤った認識

缶・瓶ビール ⇒ 『生でない』ビール

ジョッキ(グラス)のビール ⇒ 『生』ビール

という誤った認識の方が多いため、『生』ビールとはどのようなものなのか記事にしてみました。

焼肉-kai-では、サントリーさんのプレミアムモルツを『樽』で仕入れ、ジョッキ(またはグラス)でお客様にご提供しています。

焼肉店というお店上、圧倒的にビールを飲まれるお客様が多いため、アサヒやキリンの『瓶』ビールも用意しています。

瓶ビールは大人数の宴会の際は提供も早く、挨拶する際にお酒を注げるため好まれますが、小人数グループにおいては、『瓶』よりも『ジョッキ』などのグラスタイプのビールを好んで飲まれるお客様が多いかと思います。

そのため、アサヒやキリンのビールも樽で仕入れて『ジョッキ』でご提供したいところですが、樽のビールは、一度開けると3日以内に使い切ってしまわなければビールの状態が悪くなってしまうため、規模の小さい当店では複数の樽のビール扱う事は難しいです。

そのような理由から、アサヒやキリンの『樽』ビールは扱っておらず、『瓶』での提供をしているのですが、

アサヒの『生』はないの?

キリンの『生』はないの?

といったご質問を良く受けます。

しかし、知っている方も多いかとは思いますが、プレミアムモルツの『樽』『瓶』ビールにせよ、アサヒの『樽』『瓶』にせよ、中に入っているビールは同じ『生』ビールです。

もちろん、お店側としても、『生ビール 1つ』とご注文を受ければ、例え当店のように『瓶』の生ビールの準備があったとしても、『ジョッキ』(またはグラス)の生ビールをご提供すると思います。

良く聞く単語で、『生中』(なまちゅう)というものがありますが、これは、生の中ジョッキの略称であるため、ある意味正しいご注文方法だと言えます。

では、『生』ビールとはどのようなものなのか、『生』ビールではないビールとはどんなものがあるのか、ご説明したいと思います。

『生』ビールと『加熱処理』されたビール

生ビールとは

『生』ビールと呼ばれるものは、加熱処理していないビールです。

つまり、『加熱処理』していなければ、『缶ビール』・『瓶ビール』・『樽からジョッキに注がれたビール』どれも『生』ビールと呼ばれるものです。

先ほどもお話しましたが、ほとんどのメーカーのビールは、缶・瓶・樽等、中身は全て一緒です。

機会がある際に、『缶』や『瓶』のラベルをよく見てください。

『生』としっかり表記しているビールも多いかと思います。

他にも、ビールには『ジャンル』の違いがあります。

別記事でまとめているので、興味のある方は読んでいただけると嬉しいです。


ビールの違い
ビール・発泡酒・第三のビール・新ジャンルの違い

ビールや発泡酒、第三、四のビール、新ジャンルなどの違い解説


加熱処理とは

『加熱処理』されていないビールが『生』ビールとご説明しましたが、『加熱処理』とはどのようなものなのでしょうか。

この『加熱処理』は、殺菌のために行う加熱とは異なります。

ビールを製造する際、酵母を発酵させなければなりません。

発酵が進んだ後、酵母を取り除かなければ発酵が進行しすぎて美味しくないビールに変わってしまうため、酵母を取り除く必要があります。

以前は、この酵母を取り除くために加熱処理していたのですが、現在では濾過技術が進み、加熱しなくても酵母を取り除き発酵を止めることができるようになったため、加熱せずに濾過する製法がとられる事が多くなりました。

皆さんもビールを買う際は、冷蔵庫に陳列してあるビールもありますが、特にケースなどは常温で置かれているのを見た事があるかと思います。

これは、酵母が取り除かれているため、なせる事で、『濾過』『加熱処理』などの技術が登場する以前は、酵母が入ったままの状態で販売されていたため、長期保存はできず、冷蔵保存が必須でした。

現在でも、酵母が入ったままのビールが販売されている国もあるようです。

味の違い

  • 加熱処理したビール ⇒ 『重く』飲みごたえのある味わい
  • 生ビール ⇒ 『軽く』すっきり飲みやすいビール

という飲みごたえの違いがある事もありますが、現在は技術が進歩しており、『加熱処理』をする場合であっても、長時間加熱する必要もないため、味の大きな違いはほとんど無くなっているようです。

市場に出回っている多くのビールは『生』ビールですが、飲みごたえのある重めのビールが好きな方は、『加熱処理』されたビールを探してみると良いかもしれません。

加熱処理されたビール

・アサヒスタウト(アサヒ)

・クラシックラガー(キリン)

・サッポロラガー(サッポロ)

などは、『加熱処理』されているため、飲まれた事のある方も多いかとは思いますが、試してみてはいかがでしょうか。

また、先ほど、『缶』『瓶』『樽』で同じものが入っている事がほとんどであるというお話をしましたが、それらで味が違うと感じる方もいらっしゃると思います。

『味が違う』と感じるには様々ね原因があります。

味に違いを与える大きな原因

体のコンディション

保管状況

飲み方

注ぎ方

清掃状況

例えば、同じアサヒスーパードライの生ビールを扱っているお店であっても、美味しいお店、美味しくないお店があると思います。

しっかりとビールサーバーを洗浄し、キレイな状態で出しているお店とあまりサーバー洗浄を行わない不衛生なお店とでは同じビールであっても全く味が異なります。

また、サーバーであればその日の気温などによる樽の温度の状態に合わせてガス圧を調整するなどの作業も必要になり、味に変化が出る可能性があります。

また、ジョッキを冷やした状態で保管するお店も多いですが、ジョッキを『冷凍』してしまうと、冷たいビールにはなりますが、ビールを水っぽくしてしまう原因になります。

樽にせよ缶・瓶にせよビールの『注ぎ方』によっても味は大きく変わりますし、直接缶で飲む場合とグラスに注ぐ場合でも、味の感じ方は違います。

ビールの保管状態や、その時の体のコンディションによっても味は変わりますし、『雰囲気』なども味の感じ方に影響を与えるかもしれません。

同じビールでも味が違うと感じる際は、上に書いたような事を意識し、色々と試してみると好みの味に近づけるかもしれません。

ドラフトビールの定義は国によって異なる

日本では、『生ビール』を『ドラフトビール』とも言います。

『ビールの表示に関する公正競争規約』において、『熱処理』していないビールでなければ、『生ビール』『ドラフトビール』と表示してはいけないと規定されています。

しかし、この定義は国によって異なるため、注意が必要です。

例えば『アメリカ』であれば、日本と同様、『加熱処理』していないビールをドラフトビールと呼ぶ場合が多いです。

しかし、『ドイツ』の場合は、樽出しのビールをドラフトビールと呼びます。

『ドラフト』は、『汲み出す』という意味があるため、言葉通りの意味合いになります。

『缶』や『瓶』はドラフトビールとは呼びません。

一口に『ビール』と言っても、今回お話したような、生ビールと加熱処理されたビールの違い、発泡酒などの第2、3のビールなどのジャンルの違い、上面発酵、下面発酵など製造工程の違いなど様々な違いがあります。

それらの違いを良く理解する事で、ビールの楽しみ方がいっそう広がるかもしれません。

また、お店でごご注文される際も、違いを意識してご注文していただけると、店員さんもどういう対応をしようか困らないかもしれません。

もはや勘違いと言うよりは、『生ビール = ジョッキビール』という言い方が定着している感じもあるので、何とも言えませんが、頭のどこかに今回のお話を置いておいていただければと思います。

記事作成日:2017.02.13
最終更新日:2021.08.28